執筆者: 木ノ下 千栄(きのした ちえ)
◆初春のすがすがしい行事

甘春堂本店・東店の近くでも、全国的に有名な初春の風物詩「三十三間堂の通し矢(弓引き初め)」があります。これは、江戸時代にさかんに行われた「通し矢」にあやかるもので、全国から新成人あるいはベテランの弓道者が集まってきます。

「通し矢」というのは、三十三間堂の裏手で、南側に的を置き、120メートルも離れた北から矢を放ち当てるもので、江戸時代の通し矢では、一昼夜のうちに何本的に当てられるかを競ったと伝えられています。                               三十三間堂の門は人でいっぱい!

慶長11年(1606)に開かれた大会では、尾張清洲藩松平家中の浅岡重政が51筋射を通し、家康から「天下一」の称号を許可されました。その後、御三家の尾張藩・紀伊藩では互いにどちらの藩に、より優れた弓の使い手がいるのかを競うようになり、通し矢の記録は次々に更新されていきました。

    さあ、緊張の一瞬・・・。
   

貞享3年(1688)には紀伊藩の和佐大八郎が8132本射通して、現在でもこれが最高記録となっています(射た矢の数は13,053本)。120メートルも離れたところから命中率約62%で当たるとなると、相当の集中力と体力がないと出来ない技です。

さて、毎年お正月に三十三間堂で行われるこの「通し矢」では、その年成人を迎えた女性による競射も行われ、女性たちは皆、晴れ着姿で挑みます。その姿はりりしくも、華麗! また、静寂の中でパアン、パアンと的に勢いよく矢が当たるさまは、見る者をすがすがしい気持ちにしてくれます。

以前は1月15日の小正月の成人式に行われていましたが、昨今では1月15日に一番近い日曜日に設定されているそうです。お間違えのないように。ちなみに拝観料(600円)がこの日に限って、無料となります。

◆場所・日時(※各行事の日程は、天候等の理由で変更になる場合があります。)

三十三間堂(京都府京都市東山区)/毎年1月15日に一番近い日曜日
問い合わせ:三十三間堂 075-525-0033

ちかくには「そば食い木像」で有名な法住寺があります(三十三間堂の七不思議の1つ)。

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◆交通

・市バス206・208系統「博物館三十三間堂前」下車すぐ。
・京阪電車「七条」駅下車、徒歩5分。
・京都駅から徒歩では20分程度です。
・車椅子も可。

このページの作成にあたり、「京都デジカメ散策」様から画像を1点引用させて頂きました。
ご協力頂いた京都デジカメ散策のホームページはこちらからご覧いただけます。

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